オススメ山道具 No.13
笹原 芳樹
地形図と登山地図
地図は山用品ではなく「本の仲間」だろう・・・なんて思わないで聞いてください。

日本の緯度経度がズレた

地形図と登山地図ことしの4月から日本の位置が変わりました!というのも、昨年6月20日に測量法が改正されて、明治時代から使われていた「日本測地系」から全世界的な「系」へと表示が変ったのです。例えば、東京周辺では、ほぼ南東へ約450メートル"移動"。北九州では同420メートル、稚内周辺では同400メートルの差になっています(専門的には、東京周辺において緯度で約プラス12秒、経度で約マイナス12秒ということだそうです)。
国土地理院発行の2万5千分の1地形図、5万分の1地形図、20万分の1地勢図でも、まだまだごく一部ですが昨年10月から順次、新旧の基準に基づく緯度経度が両方併記されている地図が出回っています。GPSを使う場合は、どの測地系なのかに注意してください。
ところで、「地図のことなんか、面倒でイヤだなあ」と思っているアナタ。最低限のことは覚えておいてほしいと思います。

この「超基本」が実はすべて
あとは実際の地形と見比べる

まず、上が北(磁石の針は少し西寄りに合わせる)。距離と等高線は、2万5千分の1図の場合は地図上の4センチが1キロで等高線1本が10メートル。5万分の1の場合は地図上の2センチが1キロで等高線1本20メートル。
そして、平地の1キロを一般的な人は10分〜15分位で歩くことを覚えておいて、こまめに地図を見て、実際の地形と地図の表示をひたすら見比べるクセをつければ、"地図を読む"ところまではあと一歩です。地図が読めれば、暇なときに「地図を見ているだけで時間を忘れてしまうほど楽し」くなるまでは、もうすぐです。

その地図、ちゃんと改訂されていますか

コンパスさて、登山用に作製されたハイキング・マップ(登山地図)が昭文社、ゼンリン、山と溪谷社などから発売されています。登山情報がたくさん書き込まれており、一般登山道を無雪期に歩くなら断然見やすくオススメです。
では、各社のマップからどれを選ぶか。同じ社でも山域によるアタリ・ハズレがあります。その基準は、(1)毎年改定されているか。(2)執筆者は山に行っている人か(有名ではあるが、山に行ってなさそうもない人だと内容が古い可能性大)。(3)地図の表側はもちろん、裏側の情報、オマケの小冊子の内容は豊かかなどです(ベテランじゃないと、ちょっと分かりずらいかもしれませんが)。
地形図と登山地図、どちらもなるべく新しいものを使ってください。林道、ダム建設などで、様子がまるで変っているケースも少なくありません。10年、20年前の登山地図をとっておいて最新版と比べると、その違い、自然破壊度には驚くべきものがあります。自然の大切さが身にしみます。

[写真キャプション]
コンパスの定番・シルバコンパスのNo.3とNo.8。どちらもオイル入りですが、No.3の対応温度はマイナス40度C〜60度C、No.8は0度Cから40度Cです。

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